タグ「大宮」が付けられているもの

ダ埼玉って誰が言ったの? え? タモリさん!? 埼玉ってちっともダサくないですよ。大宮駅のルミネには、BEAMSだって、ユナイテッド・アローだって、ナノ・ユニバースだって、トゥモローランドだって、SHIPSだってあるんだから! 新宿、渋谷にだって負けないセレクトショップてんこ盛りよ! うん、わかってます。ファッション店があればいってわけではないですよね。

それがわかっているから、私、東京に住んでます。住んでるところは秘密です。ただ、埼京線で大宮に通ってます。知人バレすると困るので。はい、職業は、イメクラ嬢です。お店に着いた瞬間から、「夢見るコスプレイヤー麻由美ちゃんに変身よ!」

埼玉はダサくないって、さっき言いましたけど、やっぱりイメクラ店に来るお客さんを眺めてると、ダサい......ですね。平日の夜に来店するお客さんは、ほとんどサラリーマンで、スーツ姿です。お店の価格帯は、特別高くも安くもないと思いますが、くたびれたスーツが多いです。時々、ブランド物の高級カバンを持ってくるお客さんがいますが、靴のかかとがかなりスレ減ってたり、よく磨かれてなかったり。よく「お洒落は、足元から」なんて言われますが、そういうところが抜けてたりするのです。県民性は、関係ないのかもしれませんけど。

今日来たお客さんは、30代前半で、仕立ての良さそうなスーツ、ピカピカの靴に、網々の高級バックを携えてました。確かこのバッグ、ウン十万円もするのです。そんな彼が、どうしてイメクラ店に来て、私を指名してくれたのかは、気にしてなかったのですが、指定されたプレイ内容に腰砕けになりました。

そのお客さんは、A4用紙5枚に渡って、キャラクターの設定とシナリオをびっしり書き込んでいて、これをやってほしいと言ってきたのです。麻由美は、アニメ、漫画、ゲームが大好きなので、大抵のキャラを知っています。全部が全部うまく演じれるわけではありませんが、決め台詞くらいは言えます。でも、彼の指定するキャラクターというのが、"10代で出産して、里子に出し、その10年後に小学校で先生と生徒という間柄で再会した母親"というもの。衣装にしても、声の出し方にしてもさっぱりイメージできません......。彼は、10歳の生徒という役なのですが、設定をコンコンと説明されるだけで、エッチなプレイにはなりません。

「お客さん、申し訳ないんですけど、プレイ時間終わっちゃいますよ」
「あ、嘘! マジですか? まだ全然キャラ頭に入ってないじゃないですか。困りますよ」
「ほんと、申し訳ないですけど時間なんで。あ、シナリオに離れ離れになった親子が再会して涙を流すで終わってますから、これだけしましょうか。えーん、えーん、むーすーこーっ!」

結局、プレイ終了のブザーが鳴って、それでも彼は、部屋から出ようとしないので、スタッフさんが入ってきて、彼を連れ出してしまいました。何か、落ちのない話ですけど、あの珍客は、何がしたかったんだろうって今も時々思い出します。